✴︎ COLUMN Vol.3 ✴︎ Joe Fresco『Make America Player Again』をフィジカルで残した理由

Joe Fresco『Make America Player Again』をフィジカルで残した理由



今回は、California Music Inn 特別オーダー品として、CD化が実現した『Joe Fresco - Make America Player Again, Vol. 1』『Joe Fresco - Make America Player Again, Vol. 2』を取り上げます。

Joe Frescoは、カリフォルニア州サンノゼを拠点に活動するWest Coastラッパーです。彼もまたCalifornia Music Innが以前から注目してきた90's Style踏襲のアーティストのひとりで、近年では彼自身が中心となるMAPA Crewとしても活動しています。

2022年 — 出逢いと『Vol. 1』の衝撃

Joe Frescoというアーティストの存在が強く印象に残ったのは、2022年にAnthony Danza『New Jack Danza』収録の"Choosey"への参加や、自身のアルバム『Make America Player Again, Vol. 1』など、90's Styleを愛するリスナーの心を掴む作品を発表した頃です。『Make America Player Again, Vol. 1』では、『Michael Jackson/Thriller』をサンプリングしたジャケットに衝撃を受けたのをいまでも覚えています。当時から、もしCDがリリースされていたらCalifornia Music Innでも取り扱い、日本のG-Funkファンに届けたいと思う作品でした。

2023年 — Black Cとの共作、そして交渉のはじまり

2023年には、『Black C - The Black Album』に収録されたZappネタの"Make It Funky"にも参加。この楽曲も間違いない仕上がりでした。

Joe Frescoと本格的にやり取りをはじめたのも、この頃だったと記憶しています。当時から彼はCDリリースの構想についても話しており、「近いうちに出すよ」と聞いていたこともあって、私自身も楽しみにしていました。そして数か月後、彼から連絡が入り、『Black C & Joe Fresco - Ruthless』がCDでリリース。収録曲の"Comin Ruthless"、そして再収録された"Make It Funky"は、90's G-Funkフリークにも間違いなく突き刺さる内容でした。

Black_C_Joe_Fresco_-_Ruthless

"Comin Ruthless"収録、Black CとJoe Frescoが手を組んだ一作

2024年 — 高まる注目とCD化の停滞

2024年には『Black C - Heavy In It』にも3曲参加し、90's West CoastレジェンドBlack Cがバックアップする存在として、注目度がさらに増していきました。しかし、Black C主導でCDがリリースされるものの、ソロ作品のCD化はなかなか実現しませんでした。

同年、『Make America Player Again, Vol. 2』が配信リリースされた際に、CD化の話を持ちかけました。Joe Fresco本人もCDリリースには前向きで、「近いうちに出したい」と何度も話していました。その後もやり取りを重ねていましたが、予定は何度も延期となり、気付けば1年が経っていました。残念ながら『Make America Player Again, Vol. 2』は配信限定リリースのままになってしまったのです。

カッコいい作品が存在していても、フィジカル化されないまま時間だけが過ぎていく──。それはJoe Frescoに限った話ではなく、現在の音楽シーンにおいても決してめずらしいことではありません。

2025年 — 『Mapa's In The House』の実現と反響

いまや多くのアーティストにとって「リリース」とは配信を意味する時代です。一方で、作品をフィジカルとして残すには、製作コストや需要予測など様々な現実的なハードルも存在します。CD化を望んでいても、実現に至らないケースは決して少なくありません。

そんななか、2025年にようやく彼のソロ作品『Mapa's In The House』がレコードとCDでリリースされました。この作品も間違いなくフィジカルで残すべき素晴らしいG-Funk作品であり、California Music InnでもレコードとCDを取り扱い、現行ファンと90'sファンの垣根を越えて大きな反響をいただきました。この反響を受け、以前から心に残っていた『Make America Player Again』シリーズ2作品への想いが、再び強くなっていきました。

Mapa's In The House (LP) →

2025年にフィジカル化され大きな反響を呼んだ『Mapa's In The House』

2026年、ついに実現 — 『Make America Player Again』フィジカル化

交渉を続けること数か月──途中で何度も話が止まりそうになりながらも、少しずつ実現へ向かっていきました。そして2026年──。

『Joe Fresco - Make America Player Again, Vol. 1』

『Joe Fresco - Make America Player Again, Vol. 2』

ついに2作品のフィジカルCD化が実現したのです。

90's West Coast G-Funkを継承する魅力

『Make America Player Again』シリーズは、どちらも90's West Coast G-Funk Styleを色濃く感じさせる作品であり、『Mapa's In The House』と並び、現行ファンと90'sファン双方に届けるべき、まさに"フィジカルとして残すべき作品"です。80's SoulやFunkを巧みに取り入れたG-Funkサウンドに加え、Anthony Danza、Lil Woofy Woof、All Hail Y.T.など90's Style踏襲アーティストたちが参加しているのも大きな魅力です。Vol. 1収録のKleeer「Tonight」使いの"What It Is"、そしてVol. 2収録の"Just Another Day"は、まさにCDという形で残したかったWest Coast New Classicです。

Make America Player Again, Vol. 1 →

Michael Jackson『Thriller』をサンプリングしたジャケットが話題となった『Vol. 1』

Make America Player Again, Vol. 2 →

ついにフィジカル化が実現した『Make America Player Again』シリーズ

手元に残るかたちで届けられたWest Coast G-Funkの名作

おわりに — "手元に残る音楽"として

配信リリースから時間が経ちましたが、本作をフィジカルという形で日本のリスナーへ届けることができました。"手元に残る音楽"として未来へ残せることに、大きな意味を感じています。また今回のリリースをきっかけに、Joe Fresco自身のフィジカル作品への意識もさらに高まっています。今後どんな作品が生まれてくるのか、いまから楽しみです。

California Music Innでは、Joe FrescoやMAPA Crewの動向を追いながら、素晴らしい作品を"手元に残る音楽"としてみなさまへお届けしていきたいと思います。


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